前回記事である
において、
学歴別(高卒、大卒など)で将来の年収に差が出るのかどうか
という点について考察してみた結果、
Fランクの大学卒ですら高卒よりも年収は高くなる
という事実が見えてきていることが分かりました。
それでは、同じ大卒でも、
偏差値の異なる大学間では年収に差が出るのでしょうか?
この疑問に対しては、実際に研究がいくつも行われており、
現時点での結論としては、
「大学の違いは関係ない」
ということが分かっています。
しかし、前回記事でご紹介した表を見てみると、
明らかにFランク大学よりも早稲田などの高偏差値大学の方が、
平均年収が上になっています。
これはいわゆる、
「高い年収を稼げる優秀な学生が高偏差値大学に入っているから」
という理由によるものである、という解釈になっています。
実際の研究では、例えば双子を対象に研究を行うことで、
「元々の遺伝的な能力値は同じ」という前提で、
異なる大学に進んだ双方の双子に対して、
年収が違ったかどうかを確認しています。
結果として
「差は認められなかった」
ということでした。
これは海外の有名な論文でも
http://jhr.uwpress.org/content/49/2/323.short
日本での論文でも
http://ci.nii.ac.jp/naid/110009731707
同様の結論に至っています。
よって、感情論を排除した上での現時点での結論としては、
「高卒より大卒の方が、将来の年収が高くなる可能性は高い」
「偏差値の高い大学に入っても、将来の年収は変わらない可能性が高い」
ということになります。
貧困の連鎖から抜け出すには、
やはり少なくとも大卒の資格は取っておきたい、
ということになりそうです。
※
この記事は
現役大学教授である夫が執筆したものを、
私、山中みさとが編集・公開したものです。
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