大学教員の給与・研究費事情はこんな感じ!

大学教員の給与、気になる方は多いかと思います。

 

私は常勤の大学教員として

 

旧帝大

地方中~大規模私立大学

地方国立大学

 

非常勤として

 

地方小規模私立大学

地方単科国立大学

 

と経験がありますので、

その辺りを簡単に書いてみたく思います。

 

 

どの大学も「俸給表」に基付いて算出されている

 

基本的に、どこの大学も「俸給表」に基づいて、

一年に一回昇給する形で給与が上がっていきます。

 

旧帝大は公開されているところも多いですが、

(例えば京都大学

助手、助教、専任講師、准教授、教授、で分かれていて、

 

職位が高いほど昇給率が高く上限が高い

 

というシステムです。

 

ですので、

若い年齢で高い職位に就くほど、

給与も最終的に高くなっていきます。

 

 

国公立大は公務員給与に準じる

 

一般的に地方国立も含め、

国公立は

 

公務員給与に準じる

 

という感じになるようです。

 

国立大学では大学の所在地によって

 

地域手当

 

があり、

その額の差もほどほどに給与に影響します

 

 

私立大は法人によって様々

 

一方私立大学はいろいろあります。

 

小規模大学で経営があまり芳しくない場合は、

給与もそれ相応な額になることが多いです。

 

規模が大きく、経営も安定している学校法人の場合、

私立大学の方が国公立大学よりも給与は高めになります。

また、各種手当やボーナスの充実度や、

給与とは別に個別に「研究費」も多めにもらえることが多いです。

 

私が経験した限りでは、

小規模学校法人の大学は旧帝大と同じ給与水準で、

中~大規模学校法人の大学は旧帝大より30%高い感覚でした。

 

 

研究費について

ここからは私自身がいただいていた

「研究費」についてお話していこうと思います。

 

 

旧帝大

 

旧帝大時は教授が一人、

その下に准教授や助教が付くといった講座制の研究室であったため、

下にいる教員には研究費の直接配分はありませんでした。

 

代わりに教授が研究室運営のための研究費を持っていて、

その研究費を下の教員が許可をもらって使う方式でした。

*ただし別途科研費など外部資金を自分で獲得したときは、

 その研究費は自分で使える、という形でした。

 

 

中~大規模私立大学

 

中~大規模私立大学の方では、

私自身が独立して研究室を持てまして、

研究費は年間45万円ほどでした。

 

 

地方国立大

 

今現在勤務している

地方国立大でも独立して研究室を持てましたが

 

研究費は年間15万円

科研費に応募すると追加で研究費がもらえる

科研費をもらっているとその額に応じて研究費が少しプラスされる

 

という感じです。

 

 

有名な先生が旧帝大に多い理由

 

ここまでの話を聞いて

 

「なぜ有名な先生が旧帝大にいる率が高いのか、

私立大学に移った方が給与も研究費も有利ではないか」

 

と思う方が多いのではないかと思います。

 

やはり私立大学はいわゆる商売のため、

学生教育に主眼が置かれることが多く、

一人の教員に学生が多く付くことになります。

 

また、就職を希望する学生が多く、

研究の道に進む学生はあまり多くありません。

 

一方旧帝大や一部地方国立大では、

担当する学生数が少ない上に、

研究職を目指す学生がそれなりに入学してきます。

 

そうなると、

教員自身の研究を行う時間も作れますし、

研究の手伝いや跡継ぎになりそうな学生も入ってきます。

要するに、研究しやすい環境が作りやすいわけです。

 

 

無名な小規模私大学に高名な先生がいることも

 

ただし、私立大学にもいい点は多くあり、

やりようによっては旧帝大よりも研究環境を整えることもできます。

 

そういう意味で、環境がよい場合には、

無名な小規模私立大学にも高名な先生がいることがあります。

 

ですので、

本気で大学で学ぼう、という意欲のある人は、

 

入試の難関度ではなく、

「この先生に教えてもらいたい」というような方向で、

自分の興味にあう大学教員を調べて、

その先生がいる大学に入学する

 

のが、

実は最もいい、と個人的には思います。

 

 

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