【論文紹介】子どもの勉強に対するモチベーション/やる気の維持が最も成績を高める【信頼性・根拠のある育児・子育て・教育】

親・保護者、教師・教員にとって育児・子育て・教育に役立つ知見を、

信頼性の高い学術論文から選定して紹介していきます。

個人の体験談や、主観的に偏った意見ではなく、

極力、客観的で信頼性の高い根拠を含む情報をお知らせしていきます。

 

本記事では、子どもの学習/勉強におけるモチベーション/やる気の維持が、

結局最も成績を高める方法だ、ということを

メタアナリシスという方法で明らかにした論文の紹介をします。

 

Fong Carlton, Krou Megan, Johnston-Ashton Karen, Hoff Meagan, Lin Shengjie, Gonzales Cassandra. (2021). LASSI’s Great Adventure: A Meta-Analytic Review of the Learning and Study Strategies Inventory and Academic Outcomes. Educational Research Review. 34.

10.1016/j.edurev.2021.100407.

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1747938X21000300   

 

まずは論文の内容について解説します。

 

研究目的

子ども/学生の学習成果/成績に最も影響を与える

学習方略(ストラテジー)は何か、

を明らかにすること。

 

研究方法

メタアナリシス(158の研究の結果を統計的に統合、

71852人の学生が対象として含まれる)という手法による研究。

 

特に、学習ストラテジーに関して確立されている尺度

LASSIを使った研究のみを対象に。

 

研究結果

GPA(成績評価スコア)と最も高い正の相関を示したのは

「動機付け戦略」だった。

 

テストスコアと高い正の相関を示したのは

「テスト受験戦略」「テストに対する不安」「主旨選択(要約に近い概念か)」

などだった。

 

特に、成績と戦略との相関性は、

小学校・中学校・高校

本研究結果を受けての感想・コメント

・メタアナリシスを用いた研究なので、

実証研究1本の結果よりも主張の妥当性が高いと言えます。

 

・子どもの学業成績と最も強い相関があったのが「動機付け戦略」

(特にLASSIの中では頭一つ抜けた結果)でした。

 

ということは、成績を上げるには「記憶力を高める方法」といった

記憶・学習・勉強に関する小手先の方法論や戦略ではなく、

モチベーション/やる気管理を行うという感情的な部分の戦略が、

子どもの成績向上に対して効果的で重要だということが言えそうです。

 

・一方、子どもに対する学校などの成績という「学業成績」と、

「テストスコア」とでは、影響する戦略が異なるというのが

面白いところだと言えます。

 

成績には、子どもの授業での態度や学期を通した継続的な努力が

結果に反映されやすい側面があると思われます。

一方テストスコアは、短期間の小手先作戦(テスト戦略など)が効果を生む、

という点でも、学業成績とは異なる側面があるのは納得です。

 

・教育心理学などで着目されている「テスト効果」は、

LASSIの中では最も効果がない層の結果になった、ということは、

もしかするとモチベーション/やる気が維持できないとテスト効果を用いた

戦略自体も効果が薄くなるということかもしれません。

そう考えると、両者には交互作用がありそうかも?

 

つまり、勉強に対する子どものモチベーション/やる気がないと、

テスト効果といった方法で子どもに勉強させても、

成績を向上させる効果が出にくい、

逆に言うならば、子どものモチベーション/やる気が高まった状態で

テスト効果のような方法を用いると、

成績の向上効果が出てくる、ということかもしれません。

今後の研究に期待です。

 

・本メタアナリシスでは、結局、

子どもの成績を向上させるという点では、

モチベーション/やる気しか勝たん、ということが結論になっています。

 

子どものモチベーション/やる気を低下させるような

「勉強しなさい」という周囲からの声がけは、

成績向上には悪影響しかない、ということかもしれません。

 

「子どものやる気を高めるには?」についての論文解説記事はこちら

【学習科学論文紹介】子どもの勉強への「やる気」を向上させる方法(メタアナリシス)【信頼性・根拠のある育児・子育て・教育】

 

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