本記事では、「マインドフルネス」は、
学生のストレスや不安を抑える効果があるかどうか、
についてのメタアナリシスによる研究論文の紹介をします。
用語解説:マインドフルネスとは、
「現在において起こっている経験に注意を向ける心理的な過程」
のことです。(wikipediaより引用)
マインドフルネスは、瞑想やその他の訓練を通じて
発達させることができる、とされています。
瞑想と聞くと「宗教か?」と身構えてしまう人がいそうですが、
瞑想は近年、ストレスマネジメント法の一つとして
科学的にも着目されている考え方です。
Use of Meditation and Cognitive Behavioral Therapies for the Treatment of Stress, Depression and Anxiety in Students. A Systematic Review and Meta-Analysis
Gabriel González-Valero, Félix Zurita-Ortega, José Luis Ubago-Jiménez, Pilar Puertas-Molero
Int J Environ Res Public Health. 2019 Nov 10;16(22):4394.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6888319/
研究目的
認知行動プログラムや瞑想法が学生のストレス、不安、うつに
与える影響を分析するために、メタ分析によってレビューすること。
治療の成功の決定要因を明らかにすること。
研究方法
メタ分析によるシステマティックレビュー。
2007年から2018年の間に発表された122件の論文から、
34の論文を選定。
事前テストと事後テストを含む研究が対象
(適切な成果検証をしている論文のみ選定)。
研究結果
マインドフルネスを含む介入によって、
ストレスで-0.41、不安で-0.37、うつ病で-0.30という平均的な効果。
また、ストレスに関する治療の種類とうつ病に有意な相関。
さらには個人の教育段階も、不安介入の成功に影響を与えた。
効果のあった介入は主に、瞑想戦略、マインドフルネスプログラム、
認知行動療法によるものだった。
本研究結果を受けての感想・コメント
・メタアナリシスを用いた研究なので、
結果・結論の妥当性は高いと考えていいと思います。
・今回は学生のストレスや不安感、うつ症状を研究対象としていますが、
学生ではなく社会人等々、他の研究対象とも同等の結果を示している、
と考えていいと思います。
例えば下記の論文など:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0165178121002328?via%3Dihub
・効果があった介入法についても、
瞑想、マインドフルネスプログラム、認知行動療法、といった、
近年ストレスマネジメント法として注目されているものが効果あり、
となっているので、これらは学生・社会人等に関わらず、
効果があるという理解でよさそうです。
・一方で、効果が高かった結果を示した論文と、
効果が小さい、もしくはなし、となった論文もあるようなので、
その差は何が原因なのか、について、
今後さらに深く調べていく必要がありそうです。
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