読書(種類問わず)のやる気が読解力を向上【信頼性・根拠のある育児・子育て・教育・学習科学論文】

本記事では、読書に対するやる気があるほど読解力が高くなる、

という結果を示したメタアナリシス論文を紹介します。

 

A Meta-Analytic Review of the Relations Between Motivation and Reading Achievement for K–12 Students

Jessica R. Toste, Lisa Didion, Peng Peng, Marissa J. Filderman, Amanda M. McClelland

Review of Educational Research, 90(3), 420-456.

https://journals.sagepub.com/doi/full/10.3102/0034654320919352

 

研究目的

幼稚園児から12年生までの生徒の

モチベーション/やる気と読解力の関係を調査すること。

 

研究方法

メタアナリシス

185の独立標本と1,154の効果量(ピアソンのr)

が報告された132の論文。

 

研究結果

モチベーション/やる気とリーディングパフォーマンスの間には、

有意で中程度の関係があることが示された。

 

モデレーション分析の結果、

測定されたモチベーション/やる気の構成要素が、

モチベーション/やる気と読書との関係に

影響を与えることが明らかになった。

 

本のタイプ、学年などに関連する効果や交互作用は見られなかった。

 

また縦断的な分析により、

モチベーション/やる気と読書の関係が双方向的であることが示され、

モチベーション/やる気が読書に対してであるよりも、

読書の早期化が読書後のモチベーション/やる気に対して

より強い予測因子であることが示唆された。

 

本研究結果を受けての感想・コメント

・今回の論文はメタアナリシスを用いた研究なので、

結果については信頼性が高めだと思われます。

 

・以前紹介した論文でも、

結局はモチベーション/やる気が、

成績向上のための最も強い要因である、

という結論に至っていたので、

結果として類似の方向性になっています。

【論文紹介】子どもの勉強に対するモチベーション/やる気の維持が最も成績を高める【信頼性・根拠のある育児・子育て・教育】

 

・この論文の面白いところは、縦断的なデータに基づいて、

モチベーション/やる気と読書の関係が

「双方向的」であることが示された、

というところだと思います。

 

上記の結果のところでも記載しましたが、

もともと読解力が高い子はモチベーション/やる気が高い、

という方向性がより強い、という結果になっています。

 

これは以前紹介したモチベーション/やる気の理論である、

自己決定理論におけるコンピテンス・自己有能感と同じ考え方です。

【学習科学論文紹介】子どもの勉強への「やる気」を向上させる方法(メタアナリシス)【信頼性・根拠のある育児・子育て・教育】

 

つまり、「自分は読解力がある」と自信を持っている子ほど、

読書に対するモチベーション/やる気が高まる、ということになります。

 

ただしこのメタアナリシスでは「双方向」がありうる、

という結果を提示しているので、

読解力が低い子であっても、

読書に対するモチベーション/やる気が高ければ、

読解力も高くなっていく、

という方向性もある、ということを示してくれています。

 

さらには、「本の種類・タイプ」に影響を受けない、

という結果も示してくれています。

 

これは、「読解力を高める読書には高尚な文学が必要だ」

と考える必要がなく、

ラノベのような、気軽に楽しめる読書でもよい、

ということを示してくれています。

 

そういう意味では、「読書へのやる気」を高めやすい、

という側面も出てくるように思います。

 

読解力がない子でも、

結局は「モチベーション/やる気」さえ刺激してあげれば、

読解力は伸びる可能性がある、

ということを示してくれているのは、

非常に心強いことだなと思います。

 

それとともに、

周囲の親や教員がいかに子どものモチベーション/やる気を引き出すか、

が、やはり非常に重要になってくると思います。

 

そういう意味では先ほど引用した論文において、

勉強へのやる気を高めるには親や教員による支援が重要、

というところとも繋がる話になってくると思います。

【学習科学論文紹介】子どもの勉強への「やる気」を向上させる方法(メタアナリシス)【信頼性・根拠のある育児・子育て・教育】

 

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